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1.法テラスによるDV等被害者法律相談援助事業の開設
法テラスの新しい法律相談援助業務として,DV,ストーカー,児童虐待(以下,「DV等」といいます。)の被害を現に受けている疑いのある方への法律相談業務が,平成29年に開始されました。
法テラスの利用には,法律相談であれ代理援助(事件の依頼)であれ,民事法律扶助には資力要件があるのですが,本事業は,以下の条件を満たす場合,原則,申込者の資力に関係なく法律相談援助を受けることができます(注;ただし,一定の資産をお持ちの方には,後日,相談料のご負担を求める場合があるそうです)。
【条件】
@ 申込者がDV等被害者(特定侵害行為を現に受けている疑いがあると認められる者)であること
A 被害の防止に関して必要な法律相談であること
B DV等被害者法律相談援助の趣旨に適すること
そこで,これらDV等について,何回かに分け,書かせていただこうと思います。
2.ストーカー行為とは?
ストーカー規制法では,何人も,つきまとい等をして,その相手方に身体の安全,住居等の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならないとされています(同法3条)。
そこで,まず,ストーカー規制法で禁止される「つきまとい等」とは何か?が問題となりますが,ストーカー規制法第2条では,次のとおりの定義を設けています。
なお,(*)が付いている条項は,平成28年の法改正によって新設された規定となります。
(定義)
第二条 この法律において「つきまとい等」とは,特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で,当該特定の者又はその配偶者,直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し,次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい,待ち伏せし,進路に立ちふさがり,住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし,住居等に押し掛け,又は(*)住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会,交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず,又は拒まれたにもかかわらず,連続して,電話をかけ,ファクシミリ装置を用いて送信し,若しくは(*)電子メールの送信等をすること。
六 汚物,動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し,又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ,又はその知り得る状態に置くこと。
(*)八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き,その性的羞恥心を害する文書,図画,電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって,電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き,又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
(*)2 前項第五号の「電子メールの送信等」とは,次の各号のいずれかに掲げる行為(電話をかけること及びファクシミリ装置を用いて送信することを除く。)をいう。
(*)一 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第一号に規定する電気通信をいう。次号において同じ。)の送信を行うこと。